こんにちは。しいままです。
みなさんは子供の頃から大好きで今でもふと口ずさんだり、カラオケで必ず歌っちゃう歌ってありますか?
私にとってのそういう歌は、杉村尚美さんの「サンセット・メモリー」です。
40代がカラオケで盛り上がる曲には入っていないですが、私はカラオケに行くと必ずこの曲を歌います。
「サンセットメモリー」は、1981年のドラマ『炎の犬』の主題歌でした。
犬たちの演技に感動しつつも、子犬のリュウの成長にハラハラドキドキしながらドラマを観ていた、という人も多いと思います。
今日は、35年前に思いを馳せながら私の話にお付き合い下さいね。
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サンセット・メモリーの紹介
まずは、データ紹介です。
・アーティスト 杉村尚美 ・作詞 竜真知子 ・作曲 木森敏之 ・編曲 木森敏之 ・リリース日 1981年1月25日 ・発売元 ポリスター ・オリコン最高位 4位 ・売上げ枚数 46.1万枚 ・ベストテンランクイン期間:1981年4月20日~6月15日付 ・タイアップ:日本テレビ系ドラマ「炎の犬」主題歌
私は、ドラマのオープニングにこの曲が流れると、夢中になって歌っていた記憶があるのですが、ドラマ放送中はまだこの曲ヒットしていなかったようですね。
ドラマタイアップ=ヒット曲というのが音楽業界では常識なのになかなかランキング上位に上がることはなかったようです。
しかしドラマの人気と共に、「主題歌歌っているのは誰?」という話が出始め、テレビの歌番組に出演するようになると有線放送などからジワリジワリと火がつき始めドラマが終わった後売れ始めたのです。
そして当時の歌番組「ザ・ベストテン」内、チャートインする前の注目曲&注目アーティストをピックアップする「スポット・ライトコーナー」で紹介されるとレコードの売上は急上昇。
ベストテンランクは最高4位を記録し、累計46万枚を売り上げたのです。
「サンセットメモリー」は、当時バリバリの売れ筋のメロディーだった・ドラマの主題歌だった、というのがヒットした要因ですが、私は杉村尚美さんの澄んだ伸びやかな歌声が聴く人の心を掴んで離さなかったのもヒットの要因の一つだと思うのです。
杉村尚美さんってどんな人?
杉村尚美さんは、1954年生まれで東京都武蔵野市出身。
国立音大創立者の一人に名を連ねるピアニストを祖父に持ち、父は音楽の教師、母もピアノの先生という音楽一家に育ちました。
高校時代に女子三人でフォークグループを結成し文化祭などで活躍していましたが、1973年、武田清一さん・中村幸雄さんと「日暮し」というグループを結成して活動を始めました(当時は、榊原尚美)。
1977年暮れに発売した「い・に・し・え」がオリコンチャート14位でヒットした他はあまり売れなかったようですね。
1979年に日暮しは解散するのですが、1981年に「杉村尚美」と名前を変えてソロデビューをします。
「サンセット・メモリー」という曲をもらった瞬間、“ヤバイ”というのが杉村さんの第一印象だったそうです。
当時、気楽なアマチュアとしての音楽活動に心が傾いていた彼女は売れたら歌手をやめられなくなる、と思っていたとか。
そこへバリバリの売れ筋メロディーの「サンセット・メモリー」が来たわけですからきっと焦ったでしょうね。
最初はあまりヒットしなくてホッとしていたと思うのですが、前述したようにあれよあれよという間に売上急上昇。
「急にスポットライトを浴びてしまって、自分は場違いなところにいるというのが本音だった。外も自由に歩けなくなったし、大変でした」と杉村さんは語っています。(スポニチANNEX)
当時のベストテンには、松田聖子(夏の扉)・田原俊彦(ブギ浮ぎI LOVE YOU)・近藤真彦(ヨコハマ・チーク)・寺尾聡(ルビーの指輪・シャドーシティ)郷ひろみ(お嫁サンバ)などそうそうたるメンバーばランクインしていたわけですから、場違いなところって思ってしまったのも仕方ないかもしれませんよね。
27歳という年齢でアイドルというのとはちょっと違う感じがしていたし、テレビで観ていても歌が上手でとても上品なキレイな女の人、って当時の私の目には映っていました。
「サンセット・メモリー」の後はヒット曲もなく、20代で結婚したいという願望通りに29歳で結婚を期に引退しました。
2000年代に入り『あの人は今』という番組で歌声を披露したことがあるようですが、その後は公の場に出ることはないですね。
サンセット・メモリーの作詞・作曲
作詞・竜真知子
「サンセット・メモリー」は竜真知子さん(1951-)が作詞しました。
竜真知子さんが作詞した中に、私が好きな歌が結構あるんです。
例えば、
・狩人 「あずさ2号」
・キャンディーズ 「ハートのエースが出てこない」
・サーカス 「Mr.サマータイム」
・高田みずえ 「夢伝説」
などです。
・・・が、
「サンセット・メモリー」の歌詞ってちょっと難しいなあ、って今更ながら思います。
はるかな夕陽 それは
哀しい季節つらぬいた 愛のシルエット
忘れたはずのララバイ
幸せすぎたあの頃が 心にじませる
ブロンズの風の中 見つけたメモリー
悩みなき遠い日の 私になって
あのひとの胸の中 かけてゆきたい あの日のまま
この歌詞は、別れた恋人のことを思って歌っているのだろうと想像できますが、
“ブロンズの風”ってどんな風だろう?
“はるかな夕陽”が愛のシルエット?
とか、何だか意味をとらえるのが難しい歌を中学生の頃から好んで歌っていた自分を微笑ましく思っちゃいます。
でもね、
“幸せすぎたあの頃が心にじませる”ってところは『炎の犬』のリュウが母犬と過ごした幸せな頃を思い出させ、
“はなればなれの時がきっとこの愛強くするひとり信じてる”ってところはリュウが母犬と離れて孤独に耐えながら強く成長してく姿を連想させてくれるようで、
私本当に大好きなんですよね。
意味があまりわからなくても、歌うと元気が出る歌なんです。
作曲・木森敏之
「サンセット・メモリー」の作曲を手がけたのは、木森敏之さん( 1947-1988年)です。
テレビ主題歌を多く作曲していて、1980年代前半のヒットメーカー作曲家として知られていましたが、病気のため40歳の若さでこの世を去っています。
「サンセット・メモリー」の他にも、中村雅俊さんの「心の色」、岩崎宏美さんの「マドンナたちのララバイ」というヒット曲があります。
今回初めて同じ作曲家が作った曲だということを知ったのですが、実はこの2曲も私好きなんですよね。
3曲とも静かなメロディで始まり、サビの部分で盛り上がり、最後はこれでもか!というくらい声を張り上げて終わります。
静かなメロディ
心の色 ♪「受話器の向こうから聞こえる涙声 君は誰にはぐれた」
マドンナ ♪「さあ眠りなさい疲れきった体を投げ出して 青いそのまぶたを唇でそっとふさぎましょう」
サンセット ♪「はるかな夕陽それは哀しい季節つらぬいた愛のシルエット」
サビの部分
心の色 ♪「昇るサンライズ見上げてごらんよ ひとり素顔に戻って」
マドンナ ♪「この都会は戦場だから 男はみんな傷を負ったせんし」
サンセット ♪「ブロンズの風の中見上げたメモリ 悩みなき遠い日の私になって」
声を張り上げる部分
心の色 ♪ 「そしてララバイ やさしさを知ればわらいあえる」
マドンナ ♪「どうぞ心の痛みをぬぐって 小さな子供の昔に帰って 熱い胸に甘えて」
サンセット ♪「なにげなく見送ったうしろ姿が ただ一度だけの愛と気づいたあの日」
3曲とも曲の構成が共通していますよね。
私が「サンセット・メモリー」で♪なにげなく見送ったうしろ姿が ただ一度だけの愛と気づいたあの日♪の部分を歌う時、目一杯声を張り上げてますからね。
これ本当に気持ちいいんですよ。ストレス発散にもってこいかも。
もちろん、木森敏之さんはストレス発散用に作ったわけではないと思いますがね(笑)。
そして・・・あの人は今
杉村尚美さんは、現在東京都武蔵野市に住んでいます。
旦那さんの経営するコンサルティング会社の取締役という肩書はあるものの、娘さんが連れてくる初孫と遊ぶのが楽しみな普通の専業主婦なんだそうです。
「15年ほど前でしょうか。『あの人は今』みたいなテレビ番組に出て歌い、それからも何度かお話をいただきました。ワタシのことを覚えて下さってるのはうれしいんですが、申し訳ありません。すべてご遠慮申し上げてます」 出典:日刊ゲンダイDIGITAL
と復帰を望む声はあってもご本人は全く興味がないそうです。
華やかな芸能界に未練を残さず、今の穏やかな生活に幸せを感じている姿がとても素敵でかっこいい、と思うのです。
まとめ
いかがでしたか?
ああ、懐かしいなあ!と思い出してもらえたら嬉しいです。
「サンセット・メモリー」は、1981年日本テレビ系ドラマ「炎の犬」の主題歌で、杉村尚美さんが歌っていました。
作詞・竜真知子、作曲・木森俊之でポリスターから発売され、ベストテン最高4位、46万枚の売上を記録しました。
当時の売れ筋のメロディーだったものの、予想以上のヒットで突然スター歌手の中に放り込まれる形になってしまった杉村さんは、芸能界に馴染めなかったそうです。
結婚を気に芸能界を引退し2児の母になりました。
一度『あの人は今』という番組に出演して歌声を披露しましたが、その後は公の場に出ることはありませんでした。
彼女の復帰を望む声は今もあるそうですが、ご本人は全く興味がない様子です。
現在は娘さんが連れてくる初孫と遊ぶのが楽しみな優しいおばあちゃんのようですね。
私がカラオケで「サンセット・メモリー」を歌うと、同世代の友人は「おっ!」という感じで耳を傾けてくれます。
そしてサビに入り声を高らかに歌い終わると大抵喜んでもらえます!
自分で歌わないものの、みんなが懐かしいなあ、と思う曲なのでしょうね。
この曲はもう35年前のものですが、これからもずっとずっと大好きで歌っていきたいなあ、と私は思っています。