こんにちは。しいままです。

 

先日、我が子が通う中学校に元全日本女子バレーの選手で、アトランタオリンピックに出場した「大山加奈」さんが“夢先生”として来校し、「夢や目標を持つ素晴らしさや大切さ」「仲間と協力することや友達を思いやること」「夢を叶えるために努力する姿勢」などを話してくれました。

 

親は子供に夢を持って生きて欲しいと思うものの、その夢を実現するのは簡単でないことも知っています。

 

今回子供たちは、加奈先生の話の中から「目標を達成して夢を叶える5つの方法」を学ぶことができました。

 

 

その5つとは・・・

①目標を持つ
②口に出す
③態度を改める
④仲間を大切にする
⑤感謝の気持ちを忘れない

 

私は「授業参観」という形で加奈先生の話を聴く機会に恵まれました。

 

夢を叶えるのは親の私たちではなく子供たち自身なのですが、「目標を達成して夢を叶える」手伝いを陰ながらしてあげられるように親世代のみなさんに加奈先生の話を紹介したいと思います。

 

日本サッカー教会が推進するJFAこころのプロジェクトでは、現役のJリーグ選手やなでしこリーグ選手、そのOB/OGなどのサッカー関係者、および、他種目の現役選手、OB/OGを、「夢先生」として、小・中学校(小学5年生・中学2年生)に派遣し、「夢先生」は「夢の教室」と呼ばれる授業を行い、「夢を持つことの大切さ」、「仲間と協力することの大切さ」などを講義と実技を通じて子どもたちに伝えています。

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目標を持つ・・・始まりは小さな目標だった

加奈先生がアトランタオリンピックに出場したのは2004年のことでした。

 

今回授業を受けた中学2年生の多くは2002年生まれなので、残念ながらアトランタオリンピックの記憶はありません。

 

でも、私を始めとする親世代は当時の全日本女子バレーを鮮明に覚えている人が多いのではないでしょうか。

 

オリンピックの前年のワールドカップでは、栗原恵選手とともに「メグカナ」と呼ばれ、「19才コンビ」として注目を浴び大活躍を果たしました。

 

187cmという恵まれた体から打ち出される力強いスパイクを武器に「パワフルカナ」というニックネームもありました。

 

そんな加奈先生ですが、実は喘息の発作に苦しむ体が弱く運動神経の鈍い子供でした。

 

「1年間に学校を40日位休んでいたし縄跳びの後ろ跳びもできなかった」そうです。

 

しかし、小学校入学当時すでに身長が138cmもあったため、バレーボールクラブの先輩に声をかけられます。

 

「練習を見学に行ったら、先輩たちがとてもキラキラ輝いて見えたの。喘息で外で遊ぶことがほとんどない子供からすれば、一生懸命練習に取り組む姿が眩しかったんだと思います」と加奈先生は当時を振り返っていました。

 

両親にバレーボールがやりたい、と言ってみたものの当然大反対を受け1度は諦めることに。

 

けれどやはり諦めきれずに2年生になった時にもう一度頼み込んで許しをもらいます。

 

何とかバレーボールを始めることができたものの、激しい運動をすると息が苦しくなってしまい練習も休みがちだったため、バレーボールクラブの当時の監督は、加奈先生がすぐに辞めると思っていたようです。

 

「練習を休んでばかりいたわけだから、当然バレーボールも上手くなるはずもありませんでした。」

 

そんな少女が一体どうしてオリンピック選手になれたのでしょうか?

 

そこにはある一人の存在が・・・・

 

それは1才年下の妹、未希さんでした。

 

未希さんは、加奈先生と正反対の子供だったそうです。

 

小学校6年間でお休みは1日だけという位健康で運動神経も抜群。

 

そんな妹はバレーボールもメキメキ上達し姉より先に試合に出るようになりました。

そこで加奈先生の心にある感情が芽生えます。

 

「悔しい・・・」

 

もともと負けず嫌いな性格ではない加奈先生は、「悔しい」って思ったことがなかったそうですが、妹に先を越されて初めて「悔しい」と思ったのです。

 

そこで目標を立てました。

 

“妹に負けない!”

 

「全国大会優勝でもなく、オリンピック出場でもない。ちっちゃなちっちゃな目標でしょ?」と加奈先生は笑っていました。

 

だけど、その小さな目標があったからこそ、後のオリンピック選手が誕生したわけなんです。

 

どんなに小さくてもいいから目標を持つことの大切さがわかりますよね。

 

口に出す・・・口に出さないと思いは伝わらない

“妹に負けない!”という小さな目標を掲げてからの加奈先生は、息が苦しくなっても練習を続けることができるようになりました。

 

そしてそれに比例するように、バレーボールも上達していったのです。

 

そんなある日、いつも試合をしていた近所のチームが全国大会に出場し好成績をおさめたのです。

 

そこで加奈先生の次の目標ができました。

 

“全国大会優勝!”

 

とはいえ、加奈先生が所属していたチームは弱小チームだったので、誰もが口を揃えて無理だ、と言ったそうです。

 

けれどそんな言葉に負けることなく練習を重ね、ついに6年生の時加奈先生がキャプテンを務めていたひまわりバレーボールクラブは全国制覇を果たしました。

 

バレー少女3CC

 

「みんなも思いは口にしないとダメだよ」と加奈先生は子供たちに語っていました。

 

たとえ誰になんと言われても、絶対に夢は叶う、と思うこと。

 

夢や目標を口にすることで、その思いを知った周りの人たちが応援してくれます。その応援が大きな力をくれるのです。

 

自分の夢を叶える!と決めたその時から、すでに実現への第一歩が始まっているのかもしれませんね。

 

態度を改める・・・自分が変わると周りも変わる

小学生で全国制覇を果たした加奈先生のさらなる夢は、

 

“オリンピック出場”
となりました。
しかし、中学生になってからの試合では、あと1歩のところで全国優勝に届かないでいました。
中学3年生で再びキャプテンになった時、自分たちはどうして全国優勝できないんだろうか?と考えたそうです。
「自分に足りないものは何か?」、するとある考えが頭に浮かびました。
「日本一になりたいなら、日本一にふさわしい人でなければならない。」

 

それまでの加奈先生は、バレーボールだけ一生懸命で授業中は寝ていたり、ひどい時は隠れて漫画を読んでいたようなんです。
そして家に帰れば、練習で疲れているからと言って家の手伝いを全くしませんでした。

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「ねえ、ひどいでしょう?」と苦笑いの加奈先生。
加奈先生は生活態度を改めました。
授業を一生懸命聞き、家の手伝いもしました。

 

すると学校の先生たちがバレーボール部を応援してくれるようになったのです。

 

「そりゃそうよね、授業中に漫画を読んでいるような態度の悪い生徒を応援したくなる人なんていないよ」

 

そうして生活態度を改めた加奈先生率いるチームは、周りの人たちのたくさんの応援を受け、見事全国優勝を果たすのです。

 

「自分が変わると周りも変わるんだなあって思いました」と加奈先生は笑っていました。

 

仲間を大切にする・・・大げんかの後は大親友に

高校3年生になった加奈先生は、バレーボール部のキャプテンを任されますが自分でチームをまとめていけるのか不安だったそうです。

 

そしてそんな気持ちで臨んだ東京都の大会でまさかの敗退を期してしまいます。

 

ショックで試合の次の日も教室の隅でメソメソ泣いていたそうです。

 

そんな加奈先生を叱り飛ばしてくれたのが、リオデジャネイロ五輪の出場権をかけた世界最終予選に4年ぶりに代表復帰を果たした「荒木絵里香選手」でした。

 
加奈先生が泣いているその横で、前日の敗退が何もなかったかのように明るく笑っていた荒木選手を腹ただしく思っていた加奈先生は、その場で荒木選手と大げんかになりました。

 

「身長187cmの加奈先生と186cmの荒木選手、とっても大きなケンカでしょ?」と当時を懐かしそうに話していました。

 

その時まで加奈先生と荒木選手の間には見えない壁のようなものがあったそうですが、そのケンカを堺にそれぞれの心の中を洗いざらい話して大親友になったのです。

 

そしてその後、 インターハイ、国体、春高バレーの3冠を達成し、加奈先生は2001年に高校生で日本代表に初選出されました。。

 

「荒木選手がいなかったらオリンピックに行けなかったし今の私はいないでしょう。」と荒木選手に絶大な信頼を寄せている加奈先生でした。

 

夢を叶えるために仲間の存在は欠かせないものだとよくわかりますね。

 

感謝の気持ちを忘れない・・・周りの人のおかげです

2004年20歳の加奈先生は夢の大舞台、オリンピック出場を果たしました。

 

小学生の頃から抱いていた夢がやっと叶ったのです。

 

でもオリンピックの4ヶ月前、実は加奈先生はかなり精神的に追い詰められていました。

 

前年のワールドカップで栗原恵選手とともに「19才コンビ」として一躍有名になってしまい、

 

「先輩たちと比べて全然上手くないのに“エース“ともてはやされ、常にみんなの期待に応えられる選手でいなければならなくて、その重圧に耐えきれなくなってしまいました。」

 

 

もうだめだ・・・・

 

そう思った加奈先生は、荷物をまとめて合宿所を出て行こうとしたそうです。

 

そして出て行く前に高校の時の先生と両親にメールを送りました。

 

「もうだめかもしれない・・・」

 

 

もしこの時の高校の先生やご両親の返事が違うものだったとしたら、加奈先生は夢であったオリンピックに出場していなかったかもしれません。

 

 

高校の先生の返事は、

「加奈はスポーツ選手にむいてないんだから辞めたければやめたほうがいいよ」

 

そしてご両親は、

「バレーボールはつらい思いをしてまでやるものじゃないんだから辛かったら帰って来なさい」

 

 

「4ヶ月前ですよ!オリンピックの4ヶ月前にこの返事。」

 

 

日本中のみんなに強い「パワフルカナ」を期待されていたけれど、弱い自分をありのまま受け止めてくれる人がいるんだ・・・・・と思ったら、気持ちがすっと軽くなったそうです。

 

 

親の立場からすると、この時の加奈先生のご両親がすごいなあ、って思います。

 

自分がもしその立場だったら同じことが言えるかどうか・・・・

 

世間体や自分の娘にオリンピックに行ってもらいたりという期待感の方が勝ってしまうかもしれないです。

 

 

加奈先生は、先生と両親のメールの返事によって合宿所を出て行く事を思いとどまりました。

 

 

そしてとうとうアテネオリンピック出場を果たしたのです。

 

20150928140833

出典:Delight な世界

 

加奈先生は言います。

 

「自分一人では夢を実現することは不可能だったかもしれない。家族‥仲間・周りの人に支えられて夢を叶えることができたのです。だからいつも感謝の気持ちを忘れないように生きています」と。

 

その後、腰のケガや手術・リハビリなどがあり2010年、加奈先生は現役を引退しましたが、悔いはないときっぱり言っていたのが印象的でした。

 

加奈先生の次の夢は?

「夢教室」では、“夢シート”というものに、子供たちそれぞれの夢を書きました。

 

加奈先生は、生徒一人一人のシートを覗き込んで何人かに話しかけた後、

 

「みんな素敵な夢を持っているね~。友達やおうちの人に自分の夢をぜひ話して下さい。みんなが応援してくれてきっと夢が叶うから」と。

 

加奈先生の今の夢は、

 

「優しいお母さんになること」

 

だそうです。

 

加奈先生は昨年結婚したのですが、近い将来その夢が叶うことを私は願っています。

 

まとめ

日本サッカー教会が推進するJFAこころのプロジェクト「夢教室」で、元全日本女子バレーの選手だった大山加奈さんが我が子の通う中学校に「夢先生」として来てくれ、「夢や目標を持つ素晴らしさや大切さ」「仲間と協力することや友達を思いやること」「夢を叶えるために努力する姿勢」などを話してくれました。

 

 

加奈先生の話の中から「目標を達成して夢を叶える5つの方法」を学ぶことができました。

 

その5つとは・・・

 

①目標を持つ

初めは小さな目標でも構わない。夢の実現の第一歩。
②口に出す

思いは口にしないと伝わらない。
③態度を改める

夢や目標を達成したければ自分が変わる。自分が変わると周りも変わる。
④仲間を大切にする

夢を叶えるために仲間の存在は大切。
⑤感謝の気持ちを忘れない

家族・仲間・周りの人の応援に支えられて夢は実現する。だからいつも感謝の気持ちを忘れずに。

 

目標を達成して夢を叶える方法は他にもいろいろあるでしょう。

けれど、今回の加奈先生のお話の中で語られたことは、ものすごく特別なことではないと思うのです。

どんな子供も実践できることではないでしょうか。

 

加奈先生の話を聴いた息子の中にも言葉が響いたようで、2日後にあったテストの勉強をこれまでにないくらい頑張っていたので嬉しく思ったしいままです。

 

 

 

 

 

 

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